【PCJC2018の目的】
パーマカルチャー・センター・ジャパンの設楽代表が、PCJC2018のオープニングとカンファレンスの冒頭でこの全国会議の目的について語ってくださいました。
それは、
①パーマカルチャー東アジア地域にネットワークはない。そして、日本にもない。日本各地でパーマカルチャーの活動を続けているPDCの卒業生たちがいるが、それぞれのグループを結ぶ関係性をつくらなければならない,
②ビル・モリソン亡き後、パーマカルチャーの考え方が、古く陳腐なものにならないようにするためには、それを継ぐ者たちが、彼の目指したものを共有し、持てる力の範囲内で新しいパーマカルチャーを生み出し、より質の高いものにしなければならない,
③持続可能な社会・暮らし・地球をつくっていく時、パーマカルチャーに何ができるのか、答えはまだ出ていない。パーマカルチャーに関わる人たちが大勢で考えながらパーマカルチャーの質を高め、一つ一つ実体化していく。そういう意識をみんなで共有する必要がある,
以上の三つに取り組むためのプラットホームをつくりたい。組織ではなく、みんなが乗っかれる場をつくりたい。
これが今回の全国大会の目的ということでした。
日本全体のパーマカルチャーが、各地のグループをつなぐ場をつくろうとしているのと同じように、私も庄内の,東北日本海側の,あるいは東北のネットワークがつくれないかと思っていました。岩手や福島にはパーマカルチャーの活動を長年続けている人達がいます。山形にも数人いるそうです。しかし、そういう人たちをつなぐ場づくりは進んでいないと感じています。パーマカルチャーの活動家たちは「ヒエラルキーを押し付けられることを嫌う」と設楽さんは言います。だから、必要なのは「みんなが関わり合える場づくり」です。
パーマカルチャーはYaHに対して一つの軸を示してくれるのではないか。私はそのように期待してパーマカルチャーを捉えています。緑の本には「農的」とありますが、パーマカルチャーは決して農業だけの手法ではありません。日本の先人たちを眺めてみれば、建築家もいればガーデナー,木こり,コミュニティデザイナーやアーティストもいます。全員が農業者というわけではなく、それぞれが自らの専門を切り口にしてパーマカルチャーに取り組んでいます(畑をつくったり、一部で「農」に触れている人は多いのかもしれません)。私は「旅」という切り口でパーマカルチャーを解釈してみたいと考えています。今までにはない切り口で、うまく行くかどうか手探りになると思いますが、パーマカルチャーが会社の重要な軸となって、持続可能な企業としての新しい道を照らしてくれるのではないかと期待しています。